魚の熟成の美味しさに気がついたのは、1995年頃。
最初はフグでした。
冷蔵庫の奥に、忘れてしまっていたフグが見つかりました。
「これ、何日前のかな?」
たぶん、さばいてから1週間ほど経っていたでしょうか。
腐った匂いもしませんし、捨てるのも惜しいと食べてみたら、
びっくりするくらい美味しい!
雑炊は今まで食べたことがない旨さでした。
「この味の差は何やろ?」
同じように数日経った甘鯛があって、
塩焼きして食べてみたら、これがまた衝撃的な美味しさ!
「なんでなんやろ?」
それから、実験開始です(笑)。
「寝かせて何日目から特別な美味しさになるのか?」
いろんな魚で試してみました。
カニやエビもやってみました。
毎日毎日、発見の連続でした。
熟成の方法。素材の厳選。料理に合う熟成度合いの見極め…。
日々、味をきちんとチェックしてしっかり覚え、
昨日より美味しいように。前回より美味しいように。
そうして、自分が本当にベストだと思える熟成の状態で、
う越貞としてのお料理をお出しできるようになりました。
今日では、魚を仕入れに行って、ええ魚があると、
「これを熟成させたら、どんな美味しい味になるやろ」と
楽しみでしかたありません。
さばいていても、熟成した味を思って、ワクワクします。
皆さんに知っていただきたいのです。
「熟成した魚は、こんなに美味しい!」と。
魚を見続けて30年。熟成を始めて15年。
でもまだ、お魚の熟成における発見は今日も続いているのです。
もっともっと、魚の熟成の美味しさを極め、
多くの方に召し上がっていただきたいと思っています。